※各史料の本文は『国造制の研究』参照。

 

二 畿内

 

1 大倭国造

 

【所在】大和国城下郡大和郷を中心とする地域(現在の奈良県桜井市・天理市一帯)。

【氏姓】はじめ倭直・大倭直を称し、のち忌寸・宿禰に改姓した。

【系譜】大倭国造条には、橿原朝御世(神武朝)に椎根津彦命を国造に任命したとあり、序文にも同内容を載せる。これによれば、シヒネツヒコ・大倭国造系に分類される。

 

(1)『古事記』神武段

(2)『日本書紀』神武二年二月乙巳条 

(3)『日本書紀』崇神七年十一月己卯条

(4)『日本書紀』垂仁三年三月条

(5)『日本書紀』垂仁七年七月乙亥条

(6)『日本書紀』垂仁二五年三月丙申条

(7)『日本書紀』雄略二年十月丙子条

(8)『日本書紀』欽明二十三年(五六二)七月是月条

(9)『日本書紀』天武十年(六八一)四月庚戌条

(10)『日本書紀』天武十二年(六八三)九月丁未条

(11)『日本書紀』天武十四年(六八五)六月甲午条

(12)『続日本紀』養老七年(七二三)十月乙卯条

(13)『続日本紀』天平九年(七三七)十一月壬辰条

(14)『続日本紀』神護景雲三年(七六九)十月癸亥条

(15)『続日本紀』延暦十年(七九一)三月丙寅条

(16)『新撰姓氏録』大和国神別

(17)『先代旧事本紀』巻五「天孫本紀」

(18)『先代旧事本紀』巻六「皇孫本紀」彦火々出見尊条

(19)『先代旧事本紀』巻七「天皇本紀」神武二年二月乙巳条

(20)『皇太神宮儀式帳』

(21)『倭姫命世記』御間城入彦五十瓊殖天皇六十年二月十五日条

 

2 葛城国造 

 

【所在】大和国葛上郡・葛下郡(現在の奈良県葛城市・御所市一帯)。

【氏姓】はじめ葛城直を称し、のち連・忌寸に改姓した。

【系譜】葛城国造条には、橿原朝御世(神武朝)に剣根命を国造に任命したとあり、序文にも同内容を載せる。これによれば、タカミムスヒ・葛城国造系に分類される。

 

(1)『日本書紀』神武二年二月乙巳条

(2)『日本書紀』欽明三十一年(五七〇)四月是月条

(3)『日本書紀』用明元年(五八六)正月壬子条

(4)『日本書紀』推古三十二年(六二四)十月癸卯条

(5)『日本書紀』天武十二年(六八三)九月丁未条

(6)『日本書紀』天武十四年(六八五)六月甲午条

(7)『姓氏録』河内国神別

(8)『姓氏録』未定雑姓

(9)『延喜式』巻八 祝詞 祈年祭条

(10)『紀氏家牒』

 

3 凡河内国造 

 

【所在】河内国(現在の大阪府東部)。

【氏姓】はじめ凡河内直を称し、のち連・忌寸・宿禰に改姓した。

【系譜】凡河内国造条には、橿原朝御世(神武朝)に彦己曽保理命を国造に任命したとある。序文は彦己蘇根命とする。

【備考】彦己蘇根命の「根」は「振」の誤写であり、彦己曽保理命の「保理」に通じるとする説がある。

 

(1)『古事記』神代上

(2)『日本書紀』神代上 第六段本文

(3)『日本書紀』雄略九年二月甲子条

(4)『日本書紀』安閑元年(五三四)七月辛酉条

(5)『日本書紀』安閑元年(五三四)閏十二月壬午条

(6)『日本書紀』天武十二年(六八三)九月丁未条

(7)『日本書紀』天武十四年(六八五)六月甲午条

(8)『新撰姓氏録』摂津国神別

(9)『新撰姓氏録』摂津国神別

(10)『新撰姓氏録』河内国神別

 

4 和泉国司 

 

※「国造本紀」は、和泉国(現在の大阪府南部)の設置記事となっている。

 

(1)『日本書紀』允恭九年二月条

(2)『日本書紀』允恭十一年三月丙午条

(3)『続日本紀』霊亀二年(七一六)三月癸夘条

(4)『続日本紀』霊亀二年(七一六)四月甲子条

(5)『続日本紀』天平十二年(七四〇)八月甲戌条

(6)『続日本紀』天平十六年(七四四)七月癸亥条

(7)『続日本紀』天平十六年(七四四)十月庚子条

(8)『続日本紀』天平宝字元年(七五七)五月乙卯条

 

5 摂津国司 

 

※「国造本紀」は、摂津国(現在の大阪府北部・兵庫県南東部)の設置記事となっている。

 

(1)『日本書紀』天武六年(六七七)十月癸卯条

(2)『続日本紀』慶雲三年(七〇六)十月壬午条

(3)職員令 摂津職条

(4)『類聚三代格』延暦十二年(八〇一)三月九日太政官符

(5)『新撰姓氏録』摂津国神別

 

6 山城国造 

 

【所在】山城国(現在の京都府南部)。

【氏姓】不明。ここでは山代国造および山代直(のち忌寸に改姓)に関する史料を挙げる。

【系譜】山城国造条には、橿原朝御世(神武朝)に阿多振命を国造に任命したとある。序文は天目一命(天津彦根命の子)を初代国造としており、これによればアマツヒコネ・茨城国造系に分類される。

【備考】山背国造と同一(重複掲載)とする説もある。

 

(1)『古事記』神代上

(2)『日本書紀』神代上 第六段本文

(3)『続日本紀』天平二十年(七四八)七月戊寅条

(4)『続日本後紀』天長十年(八三三)四月庚辰条

(5)『日本紀略』延暦十三年(七九四)十一月丁丑条

(6)『新撰姓氏録』摂津国神別

(7)『先代旧事本紀』巻三「天神本紀」

 

7 山背国造 

 

【所在】山城国(現在の京都府南部)。

【氏姓】はじめ山背直を称し、のち連・忌寸・宿禰に改姓した。

【系譜】山背国造条には、志賀高穴穂朝御世(成務朝)に曽能振命を国造に任命したとある。

【備考】山城国造と同一(重複掲載)とする説もある。

 

(1)『日本書紀』天武元年(六七二)六月甲申是日条

(2)『日本書紀』天武五年(六七六)十月甲辰条

(3)『日本書紀』天武十二年(六八三)九月丁未条

(4)『日本書紀』天武十四年(六八五)六月甲午条

(5)『続日本紀』慶雲三年(七〇六)十月壬午条

(6)『日本紀略』延暦十三年(七九四)十一月丁丑条

(7)『新撰姓氏録』山城国神別