※各史料の本文は『国造制の研究』参照。
十 その他(「国造本紀」に立項されていない国造)
136 闘鶏・都下国造
【所在】大和国山辺郡都介郷を中心とする地域(現在の奈良県奈良市南東部一帯)。
【氏姓】都郡直と推定されている。
(1)『古事記』神武段
(2)『日本書紀』允恭二年二月己酉条
(3)『延喜式』巻三 神祇三 臨時祭 座摩条
137 長狭国造
【所在】安房国長狭郡(現在の千葉県鴨川市一帯)。
【氏姓】壬生直と推定されている。
(1)『古事記』神武段
138 千葉国造
【所在】下総国千葉郡(現在の千葉県千葉市一帯)。
【氏姓】千葉国造大私部直を称した。
(1)『日本後紀』延暦二十四年(八〇五)十月癸卯条
(2)『日本後紀』大同元年(八〇六)正月癸巳条
(3)『日本後紀』大同四年(八〇九)三月丁未条
139 近淡海之安国造
【所在】近江国野洲郡(現在の滋賀県野洲市一帯)。
【氏姓】近淡海之安直と推定されている。
【備考】淡海国造と同一と見る説や、のちにその支配下に入ったとする説もある。
(1)『古事記』開化段
(2)『古事記』景行段
140 本巣国造
【所在】美濃国本巣郡(現在の岐阜県本巣市一帯)。
【氏姓】栗栖田君・国造などと推定されている。
【備考】三野前国造(美濃国造)と見る説や、のちにその支配下に入ったとする説もある。
(1)『古事記』開化段
(2)大宝二年(七〇二)「御野国本簀郡栗栖太里戸籍」(『大日本古文書』一―二四)
141 牟義都国造
【所在】美濃国武儀郡(現在の岐阜県美濃市・関市・山県市一帯)。
【氏姓】牟義都君と推定されている。
(1)『古事記』景行段
(2)『日本書紀』景行四十年七月戊戌条
(3)『新撰姓氏録』左京皇別
(4)『上宮記』一云(『釈日本紀』)
142 陸奥国造
【所在】陸奥国(現在の福島県・宮城県・岩手県・青森県)。
【氏姓】道嶋宿禰を称した。
(1)『続日本紀』神護景雲元年(七六七)十二月甲申条
(2)『続日本紀』神護景雲三年(七六九)三月辛巳条
(3)『類聚国史』巻十九 国造 延暦二十一年(八〇二)十二月庚寅条
143 東国造
【所在】不明。
【氏姓】不明。
(1)『古事記』景行段
144 吉備国造
【所在】吉備国(現在の岡山県)。
【氏姓】上道朝臣を称した。
(1)『続日本紀』天平宝字元年(七五七)閏八月癸丑条
(2)『倭姫命世記』御間城入彦五十瓊殖天皇五十四年丁丑条
145 備前国造
【所在】備前国(現在の岡山県東部)。
【氏姓】上道朝臣・和気朝臣を称した。
(1)『続日本紀』神護景雲元年(七六七)九月庚午条
(2)『続日本紀』延暦七年(七八八)六月癸未条
(3)『日本後紀』延暦十八年(七九九)二月乙未条
(4)『日本後紀』延暦十八年(七九九)十二月丁酉条
146 大分国造
【所在】豊後国大分郡(現在の大分県大分市・由布市一帯)。
【氏姓】大分君と推定されている。
【備考】火国造条の本文中に見える。
(1)『古事記』神武段
(2)『先代旧事本紀』巻五「天孫本紀」
(3)『先代旧事本紀』巻十「国造本紀」火国造条