凡 例
- 「校訂国造本紀」は、『先代旧事本紀』巻十「国造本紀」について、卜部兼永本を底本とし、現存・所在が確認できた写本と、寛永二十一年(一六四四)に開板された寛永板本、度会延佳が著した『鼇頭旧事紀』との校合を行い、さらに『古事記』『日本書紀』『天孫本紀』などを参考にして、校訂を行ったものである。
- 底本とした卜部兼永本をはじめ、対校に用いた諸本については、『国造制の研究-史料編・論考編』所収「『国造本紀』諸本の書誌学的検討」において詳述した。あわせて参照されたい。
- 国造ごとに、「国造本紀」の本文を掲げた。( )内は校異を示す。校異、読み下し、『鼇頭旧事紀』(延本)頭注については、『国造制の研究』所収「校訂国造本紀」を参照されたい。
- 諸本の略称は、次の通りである。
- 底本 卜部兼永本(天理大学附属天理図書館所蔵)
- 陽本 陽明文庫本(京都大学図書館所蔵)
- 山本 山田以文本(静嘉堂文庫所蔵)
- 山イ本 山田以文本所引イ本
- 曼本 曼珠院本(多和文庫所蔵)
- 職本 中原職忠本(国学院大学図書館所蔵)
- 石本 石川忠総本(神宮文庫所蔵)
- 卜本 卜部家本(天理大学附属天理図書館所蔵)
- 右本 卜部兼右本(天理大学附属天理図書館所蔵)
- 宣本 清原宣賢本(天理大学附属天理図書館所蔵)
- 村本 村井古巌本(神宮文庫所蔵)
- 秘本 秘閣本(宮内庁書陵部所蔵)
- 楓本 楓山文庫本(無窮会神習文庫所蔵)
- 三本 三浦為春本(国学院大学図書館所蔵)
- 白本 白雲書庫本(無窮会神習文庫所蔵)
- 八本 八雲軒本(天理大学附属天理図書館所蔵)
- 冷本 冷泉為経本(国立歴史民俗博物館所蔵)
- 東本 大東急記念文庫本(大東急記念文庫所蔵)
- 頼本 徳川頼房本(彰考館文庫所蔵)
- 光本 徳川光圀本(国立公文書館内閣文庫所蔵)
- 寛本 寛永板本(国立国会図書館ほか所蔵)
- 巫本 御巫清直本(神宮文庫所蔵)
- 隠本 隠顕蔵本(天理大学附属天理図書館吉田文庫所蔵)
- 神本 神楽岡庫本(天理大学附属天理図書館吉田文庫所蔵)
- 前本 前田綱紀本(尊経閣文庫所蔵)
- 連本 中臣連重本(天理大学附属天理図書館所蔵)
- 谷本 谷森善臣本(宮内庁書陵部所蔵)
- 谷イ本 谷森善臣本所引イ本
- 延本 鼇頭旧事紀 (国立国会図書館ほか所蔵)
- 延別本 鼇頭旧事紀所引別本
- 校異が系統の全諸本に共通している場合は、系統名を示した。系統の略称と、その系統に含めた諸本は次の通りである。
- 山本系 山田以文本・曼珠院本・中原職忠本
- 石本系 石川忠総本・卜部家本
- 右本系 卜部兼右本・清原宣賢本・村井古巌本
- 秘本系 秘閣本・楓山文庫本
- 三本系 三浦為春本・白雲書庫本・八雲軒本・冷泉為経本 ・大東急記念文庫本
- 頼本系 徳川頼房本・徳川光圀本
- 寛本系 寛永板本・御巫清直本
- 隠本系 隠顕蔵本・神楽岡庫本・前田綱紀本・中臣連重本 ・谷森善臣本
- 校訂にあたっては、次の文献を参考にした。
- 栗田寛『国造本紀考』・『国造本紀攷別記』(神道大系所収)
- 『国史大系』(経済雑誌社、一八九八年)
- 『新訂増補国史大系』(吉川弘文館、一九三六年)
- 『改造文庫 旧事紀』(改造社、一九四三年)
- 鎌田純一『先代旧事本紀の研究』校本の部(吉川弘文館、一九六〇年)
- 『天理図書館善本叢書 和書之部41 先代旧事本紀』(八木書店、一九七八年)
- 『続日本古典全集 先代旧事本紀・旧事紀直日』(現在思潮社、一九八〇年)
- 『神道大系 古典編8 先代旧事本紀』(神道大系編纂会、一九八〇年)
- 佐伯有清・高島弘志編『国造・県主関係史料集』(近藤出版社、一九八二年)
- 史料整理および校訂作業においては、以下の方々の協力を得た。
- 永田一氏(法政大学大学院博士後期課程)
- 堀川徹氏(日本大学文理学部人文科学研究所研究員)
- 紅林怜氏(成城大学大学院博士課程後期)
- 宮下はるか氏(成城大学大学院博士課程前期)